Thymos’s blog

さらけ出します。

香りと記憶

香りの記憶は強力だ。経験したことのある香りを感じたとき、以前その香りを感じたときの心情や風景、出来事が一気によみがえってくる。

その記憶はときに苦く、ときに驚異的で、ときに幸せな気持ちにする。

人の香りはさまざま。電車で隣になった人が知り合いと同じ香りがすると、親近感が湧く。

学生のときに誰かが使っていたファブリーズやシーブリーズの香りは、一気に懐かしい記憶がよみがえるきっかけになる。元カレの香りがすれば、そんな思い出もあったな、となる。祖父母の家のお線香の香り。友達の家の香り。

 

私は鼻がよく利くほうだ。学生のころ、トイレの個室に入ると、さっきまで誰がいたか残り香でわかった。少し気持ち悪い話かもしれない笑

 

天気の香りもある。

雨が降る前の重たい香り、雨の日の電車の中のこもった香り、雨降り後の陰りと爽快に吹きまわる風の香り、春のお花の香り、春から夏の節目に訪れるくせのない香り、秋の金木犀の香り。

 

お気に入りの香りがある。

いつもよりはやく夕方5時ごろにお風呂から上がったとき、母が料理をしてくれている香りだ。お風呂上がりのクリアな鼻に入り込むお料理の香りは、なんて幸福な気持ちにしてくれるのだろう。レアな日だ。

この香りがするといつも思い出すのは小学校から帰ると母がいつもお料理をしながら、おかえり、と出迎えてくれていたこと。

母がキッチンでお料理をしてくれながら、私の話も聞いてくれながら、私は漢字ドリルなどの宿題をやっていた。この時間がひそかに大好きだった。

中学生になると、放課後の部活や友達と遊んだりで帰るのが遅く、暗くなってからお家に帰っていた。だから、机の上には母がラップしてくれたお料理を食べることが多かった。部活引退後から高校受験モードまでのわずかな期間、小学生の頃のように、母の料理中に帰宅する日があった。その日は懐かしい記憶をたどるように、キッチンのそばの机に課題を広げてやっていた。

高校生になると、遠い高校に通っており部活もしていたので、帰る時間が格段に遅くなった。帰りが夜8時頃で、家族はご飯を食べ終わっていた時間だったから、寂しい気持ちもありながら、高校生活に勤しんでいた。この頃に母は夕方のパートさんのお仕事を始めたため、午前中からお昼の時間帯に夕飯を作って仕事に行ってくれていた。

 

大学生になり、私や姉が夕飯を作ることも増え、母は夕方のパートを続けているので、母が料理を夕方に作る日はほとんどなくなった。

大学生活でも予定が思っていたよりたくさん入ったため、帰る時間が遅いことも多々ある。

 

春休みの今、母のパートが休みの日は母が料理を作ってくれている横で勉強をするという贅沢が叶っている。

小学生の時と一つ違うことは、私が休みの日で母も休みの日は、私が料理をすると言わないと、母が少し不機嫌になりながら料理を始めるということ笑

 

この懐かしい香り、小さな幸せの記憶をここに書き残そう。

 

 

好きな香りや香りの記憶はありますか?ぜひコメント欄にて教えてください(o^―^o)

 

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